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統計処理して得た波高であるかを明確にしておかなくてはならない。適切に計測され、適切に処理された資料でなければ、「波3、うねり3」といったような目視観測の方が海面状況を的確に示すものと言えよう。
(3)深海波
一般に海の深さが波長の1/2よりも大きい場合、その波を深海波と言い、海底の影響を受けないと考えられている。この場合、波の伝播速度C、週期TWは

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ここで、Lw=波長(m)、g=重力の加速度(m/sec2)である。
不規則波については、見掛けの波長と見掛けの周期との間に、この式を適用することはできない。この場合は、十分に発達した波に対し見掛けの平均周期丁と、見掛けの平均波長LWとの間には次の関係が成立する。

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(4)浅海波
海の深さが波長に比べて十分に深くない場合は、波の伝播速度が変化するばかりでなく、波の発生及び衰弱もまた海底の影響を受ける。
水深が波長の1/2より浅い海域(浅海域)に波が入ると、波の速度が遅くなるとともに、波の頂きの高さは高くなる。浅海域を通り越した波は再び元の速度を取り戻す。遠浅の海岸に近づいた波は、どの方向から進んできた彼も、岸に近い部分が減速され、方向を変えながら岸に向かう。海岸線に達するときには海岸線に平行な形に極めて近くなっている。
水深が波長の1/25より小さくなると長波(極浅水波)とみなせ、波の伝播速度C、周期TWはそれぞれ

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で求められる。ここで、h=水深(m)、LW=波長(m)、g:重力の加速度(m/sec2)である。
波長Lw(周期T)を有する深海波が水深Dフィートの浅海域に進入したとき、波の速度が減少する比率は図4.1によって求められる。
潮流のある海面や河口等のように流れのある所では、その流速に相当するだけ波の速度は増減し、波高もそれに応じて変化する。引潮のときの河口で極めて高い砕波(巻き波及びくず

 

 

 

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